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オルターブースのクラウドネイティブ特化型ブログです。

人前で話す時のちょっとしたコツ(本番編)

おはこんばんちは。オルターブースNo.1しゃべりストの木本です。
調子には乗っていません。乗っていないと思います。

前回は人前で話す時のちょっとしたコツ(準備編)と題して、人前で話すことが決まってから当日を迎えるまでに僕が心がけていることを書きました。
今回は「本番編」として、人前で話す時に意識していることを書きます。

本番編

声が飛んでいく様子をイメージする

人前でしゃべる時にとても大切なの話です。
声にはエネルギーがあります。そのエネルギーに関して僕は「相手に向かってまっすぐに声を出した場合、相手の目の前で急にストンと下に落ちる。(つまり相手に届きそうで届かない)」というイメージを持っています。
ではどうするかというと、相手の少し後ろに向かって声を飛ばすイメージで話します。

イベントでの登壇などの場合は、会場後方の壁、つまり自分が向き合っている向こう側の壁に向かって声を投げるようなイメージでしゃべります。
そうすると、会場にいる全員に声が届くようになります。たぶんなります。なってるはずです。

このコロナ禍においてオンライン登壇が増えてきましたが、オンラインの場合は上記のようなイメージは持ちづらいと思います。
使っている機材にもよるし、こちらの声が再生されている環境も聞いている人によって違うので、対策がなかなか取れません。
ただ、同じようなイメージで話をすれば大きく外すことはないんじゃないかと思います。

明るめの声を出す

そして、声のトーンも大切です。
僕はなるべく明るめのトーンで話すようにしています。暗いトーンの声だと前述の「声が飛んでいくイメージ」がうまくできないからです。
「家にかかってきた電話に出る時のお母さんの声」みたいなイメージを持つと良いと思います。

ゆっくり話す

人前で話す時は、とにかく「ゆっくり話す」ことを心がけます。
そう心がけていても、後から聞きなおすと自分が思っているよりもかなり早口だったりします。
そこに緊張が絡んでくると、「オレ、こんなに早口でしゃべれるのか?」と自分でもビックリするほど早口になります。

そんな時は、いつもより口を大きく開けてしゃべる意識を持つと良いと思います。
口を大きく開けると、その分しゃべるスピードは落ちるはずです。
「早口ではっきりしゃべる」というのは普段からトレーニングをしていないと難しいのです。

前述の「明るめの声」を出すためにも、口は大きく開ける必要があります。やってみるとわかりますが、口をあまり動かさずに明るい声を出すことはできません。
口を大きく開けて、明るい声ではっきりしゃべると自然と口調がゆっくりになります。
緊張すると早口になりますが、ゆっくりはっきりしゃべることによって緊張がゆるむという効果もあります。笑顔を作ると気分が明るくなるのと同じですね。

デブサミで登壇させていただいた時は、自分でも「ちょっとゆっくりすぎないか?」と思うくらい今までで一番ゆっくりしゃべってみました。(ベレー帽の戦場カメラマンをイメージしました)
すると、たくさんの方から「とても聞きやすくて、話の内容がよくわかりました。」という感想をいただきました。これまで登壇してきた中でも断トツに多かったです。

注意点は練習の時からそのスピードでしゃべること。
本番だけゆっくりしゃべると確実にタイムオーバーします。

好意的な人を見つける

話しはじめて、僕が真っ先にやるのが「好意的に聞いてくれそうな人たち」を見つけることです。これは自分が心地よく話をするためですね。
そのために冒頭にちょっとしたくすぐりを入れます。
最初の自己紹介のところで「登壇時間を守らないことに定評があります。」とか、「登壇前に髪を切りたかったです。」とか、そういう本当にどうでもいいことを言います。
本題とはまったく関係ないどうでもいいことを笑顔で聞いてくれる人は、間違いなくその後に続く本題も好意的に話を聞いてくれます。

こうやって「好意的に聞いてくれそうな人たち」を見つけたら、最初から最後までその人たちに向けて話をします。
そういう人を2~3人見つけておくと安心感が高まりますし、会場の大きさにもよりますが、その人たちに順番に目線を送ると会場全体に向かって話をしているような印象を与えることもできます。

人と目を合わせるのが苦手という方は、自分が向き合っている向こう側の壁を見ながら話すと良いと思います。
「声が飛んでいく様子をイメージする」でも同じことを書きましたが、基本的に「視線の方向」と「声が飛んでいく方向」は一致するはずです。

これもまたオンライン登壇では難しいところです。
相手の顔が見えないので、好意的に聞いてくれているかどうかもわからないし、どんなリアクションが来ているかもわからない。
デブサミの時は事前収録だったこともあり、この辺はまったくの手探り状態でした。

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リアクションを期待しすぎない

相手のリアクションを見ながらだと話が進めやすいのですが、ビックリするほどリアクションが見えないこともあります。
でも、リアクションがないからといって話が通じてないわけではない。「今日はダメだったか~」と思っていたら、登壇後にいろいろ話しかけられて驚いたこともありました。
なので、あまりリアクションを気にしすぎないことも大切。経験上、リアクションがないことに焦るのが一番ヤバイです。どんどん空回りして取り返しがつかなくなります。

そもそも、話を聞いてない人はこちらが何をしていようが聞いていません。
それは自分の話がつまらないのかもしれないし、その人が他のことに気をとられているのかもしれません。
いずれにしても、もうその場でジタバタしてもどうにもならないので、さっさと割り切りましょう。

聞き返してみる

自分がしゃべっているのを後から聞き返すのはすごく恥ずかしいのですが、勇気を出して聞き返してみるといろいろと気づくことがあります。
特に自分で気づいてないしゃべり方のクセがよくわかります。

最近は動画や音声ファイルから文字起こししてくれるサービスもありますが、そういうもので「文字として」自分の言葉を見ると、耳で聞いた時には気づかないことにも気づくことがあります。
僕の場合、言葉と言葉の継ぎ目に「え~」と言うことがとても多かったのですが、文字に起こすと「〇〇ですえ~。」という間延びした京都弁みたいになっていました。
こんな風に機械的に文字起こしした時に違和感を感じる部分が、話し方のクセというやつなのではないかと思います。

緊張との向き合い方

前回も書いた通り、僕は人前で話すことに苦手意識があります。
昔から人前で話す機会は多い方だと思いますが、身内の前で話す時でさえ、話しはじめる前にはすさまじく緊張します。
緊張のあまり登壇前に顔色が悪くなったり、頻繁にトイレに行ったりすることもあるので、ものすごく心配されます。

緊張すると喉も渇きますが、そこで水を飲むと登壇前にお腹がタプタプになってしまうので、のど飴を口に入れておきます。
今ではのど飴がないと落ち着かない体になってしまったので良いのか悪いのかよくわかりませんが、カッコよく言えばルーティーンというやつです。
そして、登壇前にはほとんど食事をしません。これはハングリー精神を忘れないようにするためです。(ウソです)

なにかしら自分のルーティーンを決めておくのは効果的だとは思いますが、会場やイベントの進行によってはそれができなくなることもあるので、なかなか難しいところではあります。
環境に左右されず自分の体ひとつでできるルーティーンを強くお勧めします。(どうして「トイレに行く」なんていうルーティーンになってしまったんだろう・・・)

緊張した時に「あ~、緊張してるわ~」と認めてしまうと楽になる、という話もよく聞きますね。
僕もたまにやるのですが、これで緊張が解けることもあれば、緊張してることを確認するだけに終わることもあります。
とにかく、この「緊張との向き合い方」については僕もまだ最適解を見いだせていません。

登壇中にトラブルが起こったら

しっかり準備しても失敗することはあります。
よくあるのは、スライド操作に失敗して何枚か先のスライドを表示してしまって、慌てて戻そうとして今度は戻し過ぎて、行ったり来たりしてる間に本来移すべきスライドを見失う、とか。
そうこうしている間に何を話していたか忘れる、とか。

自分自身の失敗以外でも、たとえばマイクが不調になるとか、スライドが投影できなくなるというような機材トラブルも起こります。
もうこういう時は、その状況をあっさり受け入れてしまった方がいいと思います。
どうジタバタしても起こってしまったものはどうしようもないので、いったん落ち着きましょう。


準備編に比べると書くことは少ないのではないかと思っていましたが、こうして書いてみると意外といろんなことを意識してたことがわかりました。(そして、そのせいでド緊張するのではないかということに気づきました・・・)
どれも少しづつ、それでいて密接に絡み合っているので、少しわかりづらかったかもしれません。
これらすべてを同時に意識して実践するのは難しいと思いますが、どれかひとつでも意識の片隅に置いておくと、他のことも連動して自然に相乗効果が出るのではないかと思います。

前回の「準備編」で書いたように、人前で話す前にはしっかりとした準備が必要です。
そして、どんなに面白い内容でも、話し方次第で受け取られ方がまったく違ってきます。
せっかくしっかり準備したのに、自分に起因することでその内容がうまく伝わらないのはもったいない。本当にもったいない。
なので、少しずつでも誰かに何かが伝わるように試行錯誤していくことが大切かなと思って、まだまだいろんなことを試している最中です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
少しでもお役に立てれば幸いです。

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