こんにちは、オルターブースのかどたです。
オルターブース Advent Calendar 2024 の16日目を担当します!
時の流れは本当に早いもので、今年も残りわずかとなりました。これから本格的に寒くなっていくようですので、皆さんお身体を大事にお過ごしくださいね。
さて、今年もやっぱり AI!AI!AI!で話題の尽きない一年となりました。 私自身も沢山お世話になりましたので、今日はその数ある AI ツールの一つ Microsoft Copilot Studio について書きたいと思います!
Microsoft Copilot Studio とは
Microsoft の公式サイト ではこのように表現されています。
Copilot Studio は、自然言語またはグラフィカル インターフェイスを使用してエージェントを作成できるようにするエンドツーエンドの会話型 AI プラットフォームです。Copilot Studio を使用すると、業界、部署、役割の枠を超えて、社内外のシナリオのニーズに合ったエージェントを簡単に設計、テスト、公開できます。スタンドアロン エージェントを構築することも、Microsoft 365 Copilot に発行することもできます。
つまり、ニーズに合わせて AIチャットボットをポチポチで作れるプラットフォームといったイメージで概ね間違いないように感じます。
私が触ってみた感覚で言うと、例えば様々なサービスのお問い合わせなどで、まず最初にAIチャットボットが登場するということが多くなりましたよね?
それと同じようなものが、GUIで比較的簡単に作れて「The 私の専属アシスタント」という感覚です。
それでは実際の操作も含めてご紹介していきたいと思います。
Copilot Studio の利用を開始する
Copilot Studio の利用には ライセンス が必要となります。
ライセンスをお持ちでない場合、試用版 を利用することで 30日間の無料体験ができるようになっています。
Microsoft Copilot Studio からサインインするとホーム画面に移動しますので、さっそくエージェントを作成してみます!
エージェントを作成する
「新しいエージェント」からエージェント作成画面に移動すると、エージェントの名前や説明といった入力を求められますので、適当な内容を入力して作成します。 エージェントの作成が終了すると以下のような概要画面に進みます。 今回は エージェント作成手順 に沿って、就業規則のことなら何でもお任せ「就業規則エージェント」を作成してみました。
画面右側にはテスト実行できるチャット欄があり、エージェントを作成した直後から使用することができます。
この時点ではまだカスタマイズされていないエージェントとなっていますので、試しに「始業は何時からですか?」という質問をしてみると、当然ですが「始業時間は通常、会社や組織によって異なります。具体的な始業時間については...」という一般的なナレッジに基づいた回答が生成されます。
これは参照先のナレッジに情報がない(またはナレッジを指定していない)場合、一般的なナレッジをもとに回答するという既定の設定によるものであり、概要画面にある以下の設定を無効にすることで何も知らないエージェントさんが爆誕します。
この状態で再度同じ質問を投げかけてみると、「申し訳ございません、お問い合わせ内容を理解できません。別の言い方をお試しください。」と回答が変化します。
一般的なナレッジをもとに回答しても良いというケースであれば設定を無効にする必要はありませんが、例えば今回のような就業規則という会社固有のルールに基づいて正確な情報のみを回答してほしい、知らないことは知らないと言ってほしい、そういった場合は設定を無効にすることで余計なノイズを排除することができます。
ナレッジを設定する
設定を変更したことで、エージェントは完全無知な状態となりました。
では、エージェントが回答を生成する際の知識源として参照してほしいナレッジを設定します。
ナレッジとして設定できるもの として、公開されている Webサイト や SharePoint 上のファイルなどいくつかの情報源がサポートされています。
今回は、事前に Copilot に作成してもらった「就業規則サンプル」というワードファイルを SharePoint 上に配置しているので、そちらをナレッジとするように設定します。
まず概要画面にある「+ナレッジの追加」を選択します。
SharePoint を選択すると URL を入力する画面に遷移しますので、就業規則サンプル.docx の URL を入力し追加します。 今回はこの1ファイルのみをナレッジとして設定しますが、ナレッジは複数設定することもできるため必要な範囲で設定しましょう。 なんでもかんでも追加してしまうと結局ノイズになってしまいますので、必要な情報源だけをナレッジとすると良いでしょう。
追加したら「サポート情報」タブを確認し、設定したナレッジの状態が準備完了となっていれば準備完了です。
実際に質問してみる
それでは完全無知となっていたエージェントさんに知識が備わったかどうか確認してみましょう!
先ほどと同じく「始業は何時からですか?」と聞いてみると...
「通常の始業時間は午前9時からです」という内容に加え、参照したナレッジ(就業規則サンプル.docx)のリンクと共に回答が返ってきましたね!
実際に 就業規則サンプル.docx の記載を見てみると「始業を午前9時、終業を午後6時とする。」という記載があり、設定したナレッジに基づいて正しい回答を生成してくれたことが分かります。
ではもう一つ、「健康診断はいつ受ける必要がありますか?」と質問してみます。
ちなみに就業規則サンプルでは以下のように記載されています。
エージェントからの回答は就業規則通り「毎年1回の定期健康診断を受けることが義務付けられています」という回答が返ってきましたが、「いつ」ということは言及されていませんでした。
対話形式で質問できる?
生成AIの醍醐味の一つとして、自然言語による対話があげられます。
Copilot Studio のおいても対話形式で質問ができるのかという確認も含め「具体的にいつですか?」と言う質問を続けてみます。
するとご覧のように「具体的な日付は記載がない」と、就業規則に記載の内容だけを正確に回答してくれました。
続けて質問をしても適格に回答が返ってきていることから、エージェントとしっかりと対話できていることが分かります。
ナレッジの変更にも対応できる?
ナレッジの内容に変更があった場合、ファイルごと差し替える必要があるといった仕様であれば少し使いづらいなと感じてしまいます。
では実際に、就業規則サンプル.docx の勤務時間を「通常の勤務時間は、始業を午前6時、終業を午後4時とする。」と変更します。
果たしてエージェントはどのような回答を生成してくれのでしょうか?
改めて「始業は何時からですか?」と聞いてみると、同じチャットセッションでは変更前と同じ 午前9時からです という回答でした。
次に、チャットセッションを一度リセットして再度同じ質問をしたところ、「通常の始業時間は午前6時です 」という最新の勤務時間に基づいた回答が生成されました。
つまり同じ会話の中においては、一度学習したナレッジは改めて参照するということはせず、新しい会話になると改めて最新のナレッジを参照するという仕様のようです。
このあたりは、他の生成AIについても同じですね。
まとめ
今回は Copilot Studio で自分だけのエージェントを作成し実際に使ってみるところまでをご紹介しました。
Copilot Studio には他にも、トピック や アクション といった便利な機能が備わっており、あるジャンルの質問には特定の回答を返すといったカスタマイズができたり、条件分岐で進めた対話に基づいて最終的にユーザーがとるべきアクションを提案したりといったこともできるようになっています。
また作成したエージェントは様々なアプリで 公開 することが可能で、Teamsアプリとして社内全体で使用してもらうといった共有も可能です。
この辺りについては、続編として近日中にブログを公開したいと思いますので是非そちらもご覧いただけると嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
サービス一覧 www.alterbooth.com cloudpointer.tech www.alterbooth.com