この記事はオルターブース2025年のアドベントカレンダーの11日目の記事です🎄
こんにちは!オルターブースのエンジニアの横野です!
いきなりですが、2025年10月末~11月にサンフランシスコで開催された GitHub Universe 2025 と Microsoft Ignite 2025。
「行きたかったけど行けなかった」「情報が多すぎて追いきれない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、現地参加したメンバーによる Recapイベント(振り返り会) の内容をもとに、
- GitHub / Microsoft の最新トレンド
- 現地の雰囲気
- 「AIを作る」から「AIを使う」へのシフト
- インフラ・セキュリティ・クラウド周りのアップデート
を、次のような方々に向けてコンパクトにまとめます。
- 現地に行けなかった方
- GitHubやMicrosoftの最新の技術に触れたい方
- GitHub大好きな方 / Microsoft大好きな方
- クラウドに興味ある学生や新社会人
- 悩み多き管理者の方々
Recapイベント自体は、登壇者は社内メンバー、参加者は社外の方が中心の登壇イベント形式でした。
特に今回は、学生や若手エンジニアなど、若い参加者が多かったのが印象的でした。
GitHub Universe 2025 現地レポート(松村)

会場とイベントの雰囲気
登壇した松村は、弊社の Chief Technical Architect(CTA)であり、Microsoft MVP としても活動しています。
- 開催場所は、サンフランシスコの Fort Mason Center。
海沿いの倉庫群をリノベーションしたような会場で、「GitHubらしい」カジュアルな空気に包まれていました。 - 会場内は、
- シアター形式のセッション
- ヘッドホン着用のサイレントセッション
- パートナー/コミュニティブース などが入り混じり、デモとセッションと雑談が同時多発しているお祭り状態。
- 移動量も多く、1日歩き回るだけで「いい運動になる」レベルの広さだったそうです。
Copilotの最新動向とセルフホスト型エージェント
- GitHub Copilot は、単なるIDE補完から「開発フロー全体を支えるエージェントプラットフォーム」へ進化しつつあります。
- 主なアップデート:
- Copilot Agents HQ: 複数エージェントをまとめて管理・運用するためのハブ機能。
- Mission Control: CI/CD やエージェントの状態を横断的に可視化・制御する管理画面。
- 他社AIモデル対応の予定: Claude や xAI など、複数モデルを選択的に使えるようにしていく方向性。
- 特にインパクトが大きかったのが、
「Copilotエージェントを自社環境(Kubernetes など)でセルフホストできる」 という話題です。
- セキュリティ要件が厳しい企業でも、GitHub Actions 相当の処理を 自社クラスタ上でエージェントに実行させる ことが可能に。
- GitHub側のランナー課金を抑えつつ、ノードサイズやGPU構成を自由に選べるのが魅力です。
GitHub Starsとコミュニティの熱量
- 会場には GitHub Stars を紹介するコーナーもあり、 OSS やコミュニティに貢献しているエンジニアが大きくフィーチャーされていました。
- 松村の知人も Stars としてしっかり紹介されており、 「日々のコミュニティ活動がちゃんと評価される」ことを実感できる展示になっていたそうです。
「AIで作る」から「AIを使う」へ:開発者視点のIgnite体験(私)

全体テーマと3つのアプローチ
- キーノートでは、成功している企業の共通点として以下の4要素が挙げられていました。
- 従業員エクスペリエンス
- 顧客エンゲージメント
- ビジネスプロセス
- イノベーション
- それを支える Microsoft の3つのアプローチとして、
- AI in the flow of work(仕事の流れにAIを溶け込ませる)
- Ubiquitous innovation(誰でもイノベーションできる)
- Optionality at every layer(どのレイヤーでも選択肢を持てる)
- 全体として強く感じたのは、 「AIでどう作るか」より「誰がどう使うか」にフォーカスが移っている という点です。
注目アップデート Top 3(開発者視点)
Microsoft Foundry と 3つの IQ
- 旧 Azure AI Foundry が進化し、Microsoft Foundry として再定義されました。
- その上に乗る 3つの IQ:
- Worker IQ: 従業員の業務コンテキスト(メール、Teams、SharePointなど)を理解するレイヤー
- Fabric IQ: Microsoft Fabric 上でデータや外部SaaSを統合し、意味づけするレイヤー
- Foundry IQ: モデル・ツール・エージェントを束ね、RAGやMCPを含めた「インテリジェンスレイヤー」の役割
- 一言でまとめると、 「データ」「仕事」「モデル」をつなぐ3つの頭脳がそろった」というイメージです。
Managed Instance on App Service
- VM と App Service の中間 的なサービスで、 オンプレの古い Windows アプリを ほとんど手を入れずに Azure に持っていけたりする のが特徴です。
- ポイント:
- RDP 接続やローカルファイル IO、Windows レジストリなど、従来 VM でしかできなかった操作が可能。
- それでいて、スケーリングやゾーン冗長など App Service の恩恵も受けられる。
- 「書き直す時間はないけどクラウド移行したい」企業にとって、 オンプレの VM からの移行時に役立つサービスだと感じました。
Azure Front Door の今後の方針
- Azure Front Door を、AIアプリのための「AI Gateway」的な存在に育てていく方針が語られていました。
- 具体的には、
- LLM / エージェント向けエンドポイントへのトラフィックも含めて、Front Door で一元管理 していく構想。
- 従来の WAF / DDoS / ルーティング / ヘルスチェックに加え、 AIワークロード特有の要件(プロンプトインジェクション対策の布石など) も視野に入れた機能強化。
- アプリごとにバラバラな入口を作るのではなく、 「AI時代の入口」を Front Door に集約することで、将来的な観測・制御・セキュリティを楽にする狙いがあります。
LABで体験したマルチモーダルエージェント開発
- 参加した LAB セッション:
- "Prototyping Multimodal Agents with Microsoft Foundry and AI Toolkit"
- 作成したのは、架空の小売企業「Zava Home Retail」の顧客向けエージェント「Cora」。
- お客さんが部屋の写真をアップロードし、「この照明に合うペイントは?」と質問すると、
- 画像 + テキスト + 商品データベースを組み合わせて、最適な商品を提案してくれるエージェントです。
- 開発フローはだいたい次のような感じでした。
GitHub Modelsでモデル(例: GPT-5.1 mini)を試すAzure AI FoundryにモデルをデプロイVS Codeの AI Toolkit (Agent Builder) でエージェントをノーコード寄りに構成MCPサーバー経由で商品データベースに接続- 簡易的な評価(evaluation)でエージェントの応答を確認
- 正直な感想としては、
- 「思ったよりずっと簡単に、それらしいエージェントが動いた」
- 「開発者でも、コードを書かずにマルチモーダルエージェントをプロトタイピングできる時代」に入ったと感じました。
- このハンズオンは GitHub リポジトリとして公開されているので、
興味のある方はぜひ自分の環境でも追体験してみてください。
https://github.com/microsoft/ignite25-LAB512-prototyping-multimodal-agents-with-microsoft-foundry-and-the-ai-toolkit?tab=readme-ov-file
Microsoft Ignite の歩き方(木本)

会場のスケールとセッション選びのコツ
- Ignite の会場は、感覚的には福岡国際会議場の2~3倍の建物が複数並ぶような規模感。
- セキュリティゲートや会場間の移動も含めると、1セッションあたりに必要な「移動時間」にとても時間を取られます。
- 木本が実践していたセッション選びのコツ:
- 公式カタログからキーワード検索 → 気になるセッションをお気に入り登録
- 事前予約(RSVP)できるものは優先して確保
- Outlook カレンダー連携で、移動時間込みのスケジュール を作る
- 「現地限定」「録画なし」と明記されているセッションを優先する
キーノートのキーワード「Human Ambition」
- キーノートで繰り返し出てきたのが、「Human Ambition(人間の野心)」という言葉でした。
- メッセージとしては、ざっくり以下のような内容です。
- AI は仕事を奪うためのものではなく、人間のやりたいことを加速させるためのもの。
- 「AI vs 人間」ではなく「AI + 人間」という関係性をどうデザインするかが重要。
- バイブコーディングやローコードの広がりの中で、
- エンジニアの仕事は「手でコードを書くこと」から「AIを含めてシステムをデザインすること」へシフトしつつあります。
- 一方で、「仕事がなくなる」という話ではなく、役割が変化していくという捉え方が強調されていました。
- 悩み多き管理者の方々にとっても、
- 「AI導入=人員削減」ではなく、
- 「浮いた時間をどこに再投資するか」を考えるフェーズに来ている、というメッセージに聞こえたのではないかと思います。
Microsoft Ignite 2025 Recap(森田)

会場とアクセシビリティ
- 会場のセキュリティゲートは厳重でありつつ、 手話生成AI のセッションやリアルタイム文字起こしなどのアクセシビリティ対応もしっかりしていたのが印象的だったそうです。
- The Hub(スポンサー/パートナーブースエリア)にはカフェや休憩スペースも多く、 セッションの合間にふらっと立ち寄って 技術相談やネットワーキングができる雰囲気 でした。
主なインフラ/セキュリティ関連アップデート
- 詳細は公式ドキュメントに譲りますが、代表的なトピックとしては次のようなものが挙がっていました。
- Managed Instance on App Service
- モデルルーター による AI モデル自動選択とコスト・性能の最適化
- Security Copilot の E3/E5 対応と、より多くの組織で使いやすくなった点
- Automatic Attack Disruption など、インシデント対応の自動化/近代化を支援する機能群
- AI 以外にも、
- Terraform を使った Minecraft 環境構築など、遊び心のあるインフラセッションも人気だったようです。
現地で見えた「効率的な参加術」
- 公式サイトのチャット機能や Copilot を使って、
- 「このテーマならどのセッションが良い?」といったセッション選び自体をAIに手伝ってもらうことも可能だったとのこと。
- 会場間の移動を含めたスケジュール設計や、ラボ/ブレイクアウトをどこに差し込むかなど、 「リアルイベント × AIアシスタント」という新しい参加スタイルが生まれつつある様子が伝わってきました。
ここだけの話と簡単なネットワーキング
Recapイベントの最後には、登壇者と参加者で簡単なネットワーキングの時間を取りました。
- 軽く飲み物とピザを片手に、
- 「現地で一番刺さったポイントはどこだったか?」
- 「学生/若手として、今どんなことに不安を感じているか?」 などをゆるい雰囲気で話す場にもなりました。
- 私自身は途中で帰宅したため、後半の盛り上がりまでは見られていませんが、 少なくともオンライン配信やスライドだけでは拾いきれない温度感は、 こうした雑談の時間から一番伝わってきたように思います。
(※このあたりは、参加された方の感想ブログやSNS投稿もぜひ探してみてください。)
これから何をすればいい?
GitHub Universe 2025 / Microsoft Ignite 2025 の Recap を通じて、あらためて強く感じたことをまとめると、次の3つです。
- AIは「作る」だけでなく「どう使うか」が本番フェーズに入った
- 開発者は、コードを書く人から「AIを含めてシステムをデザインする人」へシフトしつつある
- インフラ・セキュリティ・運用も、AI前提の設計が求められ始めている
この記事を読んで、
- 「現地には行けなかったけど、なんとなく雰囲気は掴めた」
- 「Microsoft Foundry や AI Toolkit、Copilot Agents を少し触ってみようかな」
- 「自分のチームでも、小さな PoC から始めてみようかな」
と感じてもらえたら、大変嬉しく思います。
今後も弊社では、GitHub や Microsoft / Azure、AI、MCP、IoT をはじめ、最新のテクノロジートレンドをテーマにした勉強会やイベントを継続的に開催していく予定です。
最新の開催情報は、オルターブース公式サイトや connpass のイベントページに掲載していきますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
- オルターブース公式サイト: https://www.alterbooth.com/
- connpass(イベント一覧): https://alterbooth.connpass.com/event/


