Alternative Architecture DOJO

オルターブースのクラウドネイティブ特化型ブログです。

オンプレミスエンジニアが AI 時代のハイブリッドなインフラエンジニアを目指すならまずはこのあたりから考え始めてみてはどうか、という話 - Microsoft AI Tour Tokyo

初めまして。1月に入社しました中山です。

私はこれまでオンプレミスを中心にインフラを触ってきました。
Azure を学び始めてまだ日が浅く

  • AIやクラウドを活用したい気持ちはある
  • しかし、何をどうしたら良いかはっきり見えない

そんな状態で試行錯誤している最中です。

そのような立場で Microsoft AI Tour Tokyo 2026 に参加し、複数のセッションを聴講する中で 「すべてを理解できなくてもよいが、ここだけは押さえておくと今後が楽になる」 と感じた共通点がありました。

この記事で伝えたいこと

オンプレミスエンジニアがAIの話題に触れると

  • 難しそう
  • 自分の専門外ではないか
  • まだ自分には早い

と感じる方は多いと思います。私自身もそうです。

ただ、今回の Microsoft AI Tour Tokyo 2026 のセッションを通して強く感じたのは、AIは新しい専門領域として切り離されるのではなく、インフラの延長線上に組み込まれ始めているという点でした。

物理サーバから仮想化へ、仮想化からクラウドへと移行してきた流れと同様に、「すべてを自分で構築・運用しなくてよい」という前提が、さらに一段進んでいます。 Microsoft Fabric、Microsoft Foundry、Microsoft IQ、Microsoft Agent 365 は、まさにその変化を前提として設計された仕組みだと理解しました。

ここからはオンプレミスエンジニア目線でAIやクラウドとの関わり方を整理します。

1. Microsoft Fabric

データの置き場を意識するところから始める

AI活用の話では、必ず「データ」が登場します。 一方でオンプレミス環境で

  • 分析基盤
  • DWH
  • AI 用データ基盤

を一から用意するのは、現実的に負荷が高いケースも多いです。

Microsoft Fabric は、構成の細部を意識せずに、まずデータを集約し、活用できる基盤として提供されています。 オンプレミスエンジニアの立場では

  • ログ
  • 業務データ
  • 監視データ

といった情報を、「将来 AI でも使える形で逃がしておく先」として捉えるだけでも十分な第一歩になります。 考え始めるポイントとしては「このデータを Fabric に置いた場合、どのような活用が考えられるか」という視点でしょうか。

2. Microsoft Foundry

AI基盤は自分で抱えないという判断

AI活用というと、モデル選定、データ接続、評価、権限管理、運用監視などを個別に組み合わせる必要があり、想像以上に複雑です。 Microsoft Foundry はAIを業務で安全に使うための機能をまとめた実運用向けの土台で

  • AI モデルの選択
  • 運用
  • 評価

といった要素を最初からクラウド側に寄せる設計です。

これはオンプレミスエンジニアにとって、AI基盤そのものを無理に守備範囲に含めなくてもよいという判断材料になります。 「AI基盤をオンプレミスで持たない理由を説明できるようになる」ここから始めるのが現実的だと感じました。

3. Microsoft IQ

判断やルールを「AIが扱える形」に整理するという関わり方

Microsoft IQ は、今回のセッションの中でも少し抽象的に感じやすい概念でした。 私自身は、Microsoft IQ をAIを賢くする仕組みというより、人の判断をAIに引き継ぐための層と捉えると理解しやすいと感じました。

Microsoft IQ には、主に次の 3 つの側面があります。

  • Work IQ
    誰がどの業務に関わっているのか、といった業務の文脈を理解するための知能

  • Fabric IQ
    このデータは何の数字なのか、といったデータの意味を理解するための知能

  • Foundry IQ
    AI がどの知識や情報を根拠に答えてよいかを判断するための知能

重要なのは、これらは単独で ON / OFF できる機能ではなく、それぞれが参照するデータや権限、接続先を通じて効いてくるという点です。

オンプレミスエンジニアの視点で言えば

  • 運用ルールをどう決めているか
  • 判断基準をどこに置いているか
  • 誰に、どこまでの情報を見せているか

といった、これまで設計・調整してきた内容が、そのまま AI の振る舞いに影響する領域だと感じました。

まずは、「この判断は、どの情報を前提に、どう決めているのか」を言葉にして整理してみる。それが、Microsoft IQ を意識した最初の一歩になりそうです。

4. Microsoft Agent 365

AI エージェントの管理基盤として捉える

Microsoft Agent 365 は、AI エージェントそのものではなく、AI エージェントを統制・管理するためのコントロールプレーンです。

  • 組織内で動いているエージェントの把握(Registry)
  • エージェントごとの ID 管理とアクセス制御(Entra ID 連携)
  • エージェントの振る舞いの可視化・監視

といった機能を備えています。

オンプレミスエンジニアにとっては、人やサーバーを管理してきたのと同じように、AIエージェントも管理対象として扱う仕組みだと捉えるとイメージしやすいはずです。

考え始めるポイントとしては、「AIエージェントが増えたとき、誰が何をどこまでやっていいかをどう管理するか」という視点を持つことだと思います。

まとめ

私自身、Azure を学び始めてまだ日が浅く、分からないことの方が多い状態です。 それでも Microsoft AI Tour Tokyo 2026 を通してオンプレミスエンジニアがハイブリッドなインフラエンジニアへ進むための道筋は、少し見えてきました。

  • すべてを自分で構築・運用しなくてよい
  • しかし、全体像を知らないままでもいられない
  • 使いどころを判断できること自体が価値になる

AIやクラウドを活用したいと思いながら、何から始めればよいか分からず立ち止まっている方は

  • データの置き場としての Fabric
  • AI 基盤を任せる判断としての Foundry
  • 判断やルールを整理する視点としての IQ
  • AI エージェントの管理基盤としての Agent 365

これらを「知るところ」から始めてみてはどうでしょうか。