Alternative Architecture DOJO

オルターブースのクラウドネイティブ特化型ブログです。

AI Engineering Summit Tokyo 2026 で感じた AI 活用のトレンド

はじめに

こんにちは!オリビアです。
先日、AI Engineering Summit Tokyo 2026 に現地参加してきました。

大規模イベントで、常時 4 トラックでセッションがあり、とっても盛り上がっていましたね~
セッション間の 20 分間はブースを回りつつ次の部屋へ行かなければならないので一日中大忙しでした!

個別のセッションの詳細なレポはほかの方にお任せするとして、本記事では私がセッションを聞いて感じた AI 活用のトレンドについて記載しようと思います。

私は今年 4 月に入社し、やや長めの育休明けということもあり、AI を業務で活用するのはほぼ初めての浦島太郎状態でした。
そんな私でも、いろいろなセッションに共通するものを感じたので、そのトレンドを 4 つの項目でお伝えします。

セッションで見えた AI 活用のトレンド

1. 「AI 前提の業務設計」への転換

最も大きな変化として感じられたのは、AI を単なるチャットツールとして使うのではなく、業務やプロセスそのものを AI 前提で再設計する動きです。 従来、AI は壁打ち相手のように「必要な時に人が使うもの」でした。しかし、AI エージェントがある前提で業務を組みなおす企業が多くあるということです。
象徴的だったのが PingCAP(TiDB) のセッションです。障害対応では切り分けに多くの工数がかかっていましたが、カスタムエージェントに調査を任せることで、エンジニアがコア業務に集中できるようになったそうです。汎用チャットではなく、業務そのものを担う業務特化エージェントへと進化しているのを実感しました。
また、みずほフィナンシャルグループでは、「ベンダー丸投げでは間に合わない」と内製に舵を切っていました。各部門に AI 前提で業務をリードする担当を配置することで、業務になくてはならないインフラへと変わりつつあるようです。

2. 特化型エージェントは暗黙知を扱える

Legalscape の富田さんは、「自社サービスも『これ、AIでよくない?』と言われる日が近い」と問いかけました。汎用 AI が賢くなるほど、競争力をどこに置くかが問われます。その答えが、暗黙知でした。
汎用 AI は一般知識に強い一方、業界固有の判断基準は持ち合わせていません。これを「ドメイン知識」と呼び、LLM が本来は知らないものを RAG で外から補うと話していました。だからこそ、ドメイン知識を深く取り込んだ特化型に価値が生まれます。
あすけんは「不健康な期間を縮める」という課題から食事に特化し、LITALICO発達ナビは児童福祉という専門領域に絞り込んでいました。これは社内 AI も同じで、TiDB やみずほも結局は「自社にしかない暗黙知」を AI エージェントに組み込んでいました。
汎用モデルが賢くなるほど、自社にしかないドメイン知識(暗黙知)をどう活かすかが差を生むのだと納得しました。

3. AI エージェントの育成

自社サービスに組み込む AI なら、常に改善していくのは当たり前のことかもしれません。ですが、社内で使うエージェントはどうでしょうか。作ったきりで放置していないでしょうか。
AI エージェントを使う前提で業務の設計がされているのですから、その AI エージェントは常に改善していく必要があります。
参考になったのが、みずほフィナンシャルグループです。現場でスケールさせるには、出力を継続的にモニタリングして改善につなげる仕組みが欠かせず、二重開発・二重管理を防ぐためにエージェントを標準化し、量産から運用までを支える基盤まで整えていました。契約書作成をサポートしてくれる MNTSQ も、実行結果を観測し、「運用・改善できる状態」を作っていました。
AI エージェントは、暗黙知を持つ人と一緒に育てるべきだと思いました。作って終わりではなく、使いながら評価して育て続ける。そこまでやって、AI は本当に戦力になるのだと感じました。

4. AI を活用した者を評価する

このように業務で AI を活用するわけですから、AI を活用した者を評価する制度を整える必要があります。

ポケコロやリブリーアイランドなどでおなじみの ENSAPIA Engineering のブースでも以下のようなことを伺いました。
AI を活用した者の評価を上げない場合、
何もしていない人 :従来通りの働き方で評価される
AI を活用した人 :時間をかけても評価されず、モチベーションが下がり退職につながる
といったことが発生してしまいます。これは短期的には問題が見えにくいものの、中長期的には AI 活用が組織内で広がらない原因になります。

一方、AI 活用を評価に組み込むことで、個人で作って誰にも共有していなかったお役立ちエージェントが社内で共有されるようになったり、同様のエージェントを複数作ってしまうことを防ぐことにもつながります。

おわりに

イベントに参加する前は、何もわからない私が行っても情報吸収できるのかなと不安でした。しかし、いろいろな方のセッションに共通点があることがわかり、AI 活用のトレンドを知ることができたため参加して本当に良かったと感じています!
次回は今年 12 月に開催予定だそうなので、ぜひまた参加したいなと考えています。

そのころにはどのような世界になっているのか、今から楽しみですね!