Alternative Architecture DOJO

オルターブースのクラウドネイティブ特化型ブログです。

CAF Readyフェーズにおけるアンチパターンを回避する方法

CAF連載結構面白くて、最近この話題しかしていない気がします。 この領域はほんとにオルターブースの得意領域なのでどんどん情報を発信していきたいですね!

全然関係ないのですが私が福岡に引っ越してきて最初に住んでたマンションがそれなりな事故物件だったんですが、たまにその話題が某SNSでコメントされていて、ちょっと面白いなーと思っています。

もっと暑くなったら涼しげなこの話でもしましょうかね(笑)

どうも、小島です。

さ、今回はReadyフェーズでのアンチパターンですね。 f:id:koji_kchc:20210625112454j:plain

CAF Readyフェーズとは?

CAFは6つのフェーズから成り立っているわけなのですが、その中でもReadyは技術的領域が深いフェーズになります。

ReadyではAzure全般の運用設計をベースに導入におけるテンプレートを作成していきます。

以前書いたこのブログでその設計となるAzureランディングゾーンの説明をしました。

aadojo.alterbooth.com

Azureランディングゾーンは大きく2つあります。

  • Azure Blueprintsを使うパターン
  • 大規模なエンタープライズスケールとしてAzure Resource Managerを使うパターン

どちらの構成にも言えるのですが、最低でも以下の要素を盛り込まないといけません。

  1. サブスクリプションを適切扱うためのポリシー
  2. 適切なIDとセキュリティ
  3. 可用性と信頼性
  4. ガバナンスルールとベンチマーク

他にもあるのですが、上記は最低限必要なものです。エンタープライズスケールの場合は上記以外でも考慮すべき部分が多くあり、設計がより複雑になっていきます。 詳しくは公式Docを見てくださいね。

docs.microsoft.com

アンチパターンとは

Azureランディングゾーンの構成は上記に書いたように必要な要素が決まっています。 その要素を満たすような設計をしていかないとせっかく作っても使い勝手も悪いものになってしまう恐れがあります。

ここでいうアンチパターンは考慮しなくてはいけない要素のうち、後戻りが非常に厄介かつクリティカルなものを紹介していきます。

一応公式Docにもアンチパターンは記載されています。

docs.microsoft.com

クラウド サービス デュー デリジェンス

たぶんほとんどの人が知らないんじゃないかと思うドキュメントをせっせと発掘するのも僕の趣味ではあるのですがとても興味深いチェックシートを見つけてしまいました。

www.microsoft.com

さて、このシートはなんだろうか、なんですよね。 実はちょっとだけCAF Readyで紹介されているのですが、さらっと流されていますね(笑)

このシートは組織がクラウド評価のために使うためのデューデリチェック表です。 このデューデリは3つのフェーズで構成されています。

1. 組織のクラウドポリシーの定義

クラウドサービスプロバイダーやクラウドサービスに対する業界、法律、コンプライアンス、組織の要件などを考慮する。

2. プロジェクトの定義

クラウドサービスプロバイダーやクラウドサービスに対するプロジェクト固有の要件を考慮する。

3. プロジェクト評価/RFP

主要なステークホルダーが「組織のクラウドポリシー」と「プロジェクト定義」を確認し、相違点を調整する。 要件、項目の優先順位、クラウドサービスプロバイダーとクラウドサービスについて検討する。

要は、組織と対象となるプロジェクトと業界固有のコンプライアンスがちゃんと合致していて、クラウド全体の設計をカバーしているかどうかの確認をするためのチェックリストです。

クラウドサービス デューデリジェンスは3つのシートで構成されています。

  • Cloud_Services_Due_Diligence_Checklist_Instructions
  • Cloud_Services_Due_Diligence_Checklist
  • Cloud-Services-Due-Diligence-Worksheet

まずはこの3つのシートを読みましょう。

クラウドサービス デューデリジェンスの進め方

まずはCloud_Services_Due_Diligence_Checklist_Instructionsから始めます。

このシートは実際にデューデリの進め方が記載されており、チェックリストやワークシートの使い方がわかります。 さらにワークシートやチェックリストには記載されていない、大まかな情報整理をするためのテンプレートも掲載されております。 このシートを組織で共有し、Readyで設計する構成の原型を作っていきます

基本的にはCloud-Services-Due-Diligence-Worksheetを使ってデューデリします。

f:id:koji_kchc:20210625112203p:plain ここにチームで議論しながら記載していくのですが、その時に考慮しないことを忘れないためにCloud_Services_Due_Diligence_Checklistを活用します。

このチェックリストはデューデリを進めるときにここを注意してくださいね、という記載が書かれておりチェックシートとして機能します。

例えばガバナンスにおいて、以下の考慮事項を定めたか?というチェックができます。 f:id:koji_kchc:20210625112111p:plain

デューデリデンスがすべて内部で出来ると、元々の目的である

組織と対象となるプロジェクトと業界固有のコンプライアンスがちゃんと合致していて、クラウド全体の設計をカバーしているかどうか

これが共有できるわけです。

とても便利だと思うんですけど、あまり知られていないので今日はアンチパターンを回避する方法としてご紹介しました。

ちなみに今日ご紹介したシートはすべて英語です。

記事内の画像はあえて僕が日本語に翻訳したものをちょい見せしています。

まだまだCAF連載続きますからお楽しみに!!