Alternative Architecture DOJO

オルターブースのクラウドネイティブ特化型ブログです。

Cloud Adoption Framework on Azureを進める前にやること

弊社本社がある福岡市では梅雨真っ盛り!と言いたいところですが今のところ雨が降ってないので、ダムの貯水量が気になる今日この頃です。

こんにちわ、小島です。

ムシムシシテマスネ・・・・・・

さて、今回は僕が今とても注力しているAzure分野であるCloud Adoption Frameworkについて書きます。 f:id:koji_kchc:20210614115623j:plain

Cloud Adoption Frameworkってなに?

長いんで略してCAF(きゃふ、かふ)と書きますね。

CAFはクラウド導入における実証済みのガイダンス、ツール、ベストプラクティスをまとめたものです。実証済みというところがキモですね。

なので、実証された概念やアクションは常に更新されていきます。(結構頻繁に更新されるイメージ)

docs.microsoft.com

詳しいことは公式Doc見てねって感じではあるのですが、この公式Docがまた非常にディープかつ広範囲にわたっているので何から手を付けていいかわからない、って声もよく聞きます。

CAFには大きく6つのフェーズがあり、そのフェーズごとに様々なアクションをしていきます。

f:id:koji_kchc:20210614112023p:plain
CAFフェーズ

このフェーズなのですが、ざっくり説明するとこんな感じになります。

  • 「戦略」と「計画」
    • 動機を明確にし、成果を特定する意思決定を行い、実現可能な計画を作成する。
  • 「準備」と「導入」
    • クラウドの構築に関する技術的ガイダンスを作成する。
  • 「ガバナンス」と「管理」
    • ベンチマークを作成し、継続的改善ができる仕組みを作成する。

Cloud Center of Excellence

これも略してCCoE(しーしーおーいー)って書きます。CCoEはCAFをやるうえで非常に重要な戦略概念です。

クラウドを軸とした組織全体、または組織間コラボレーションにおける重要な目標や役割を示す組織戦略になります。

間違えてはいけないのが中央にクラウドに関する英知を集結し巨大で専門的なナレッジセンターを作る、ということではありません。

あくまでもCCoEはコラボレーションです。様々なステークホルダーをコラボレーションさせ、そこからクラウド導入に向けた組織文化を作る、これがCCoEです。

docs.microsoft.com

CAFのCCoEに対する扱い方は主に戦略~計画、ガバナンスあたりで用いられます。CAF内では「整理」というフェーズにCCoEが記載されています。

またCCoEの動機については「はじめに」に記載されています。

docs.microsoft.com

このようにCCoEの考え方は非常に広く、CAF全体で実現するべき戦略となっています。

まず何からやるべきか

CAF面白そうだし組織の在り方もまとめられそうだからやってみよう!でも何からやればいいんだ?

実はCAFを進めるとわかるのですが、フェーズはステップのように順に進むものもありますが、大抵は前後左右に飛びながら進めることが多いです。

戦略フェーズから始めますが、戦略フェーズをやっていながらガバナンスやCAFには記載されていない会社の法務、前提となる知識など結構バラバラ出てきます。

そこで小島的に何から始めると良いかを説明します。

まずやるべきは「動機」の明確

戦略フェーズでも動機については記載がありますが、もっと上位概念での動機付けを最初にしておくと良いと思います。

動機付けをする場合、現状をどのように分析しているかというのがとても重要になります。

  1. 現在課題となっていることを仮説する
  2. 仮説を裏付けるデータを見つける

まずは大さっぱで良いので上記のような仮説を作ります。

主に経営課題として最も重要なこととしてITを捉え、Whyを繰り返し動機を明確にしていきます。

最小チームを作る

動機が明確になったら、その動機から小さいアクションプランを作りすぐに実行し検証できるチームを作ります。

ここで大事なポイントはドリームチームを作らなくてもいいということです。

すぐに動けるということが大事です。

PDCを高速で回せる最小チームを作ります。

この2つをやるだけでも結構ばパワーを使いますが、CAFを始める前提としてこの2つが既に実践されていると非常にスムーズです。

  • 動機の明確化は戦略フェーズの概念設定で非常に役に立ちます。
  • 最小チームはビジネスの成熟度に応じて変化します。

これらが部門間の接着剤となり、コラボレーションを促進していくのです。

CAFを進めるうえで気を付けること

前提としてCCoEのような高度な組織文化が必要というわけではないのですが、いずれCCoEを実現するべく小さいチームで実践を繰り返すことが重要です。

また、CAFはビジネス的アプローチのほかにAzureを徹底的に使い倒すフェーズもあります。そこでは当然にAzureの知識が必要になります。

Azureの知識を付けるために最も早く策がMicrosoft Learnになります。

Microsoft Learnでのスキル計画はCAF全体の動きに影響を及ぼすので無理のない範囲でスキルチャレンジしてみてください。

最後にMicrosoft LearnではCAFのラーニングパスもあります。

docs.microsoft.com

こちらも是非取り組んでほしいと思います。

CAFについては今後も情報をまとめていこうと思います。