こんんちわ。オルターブース小島です。
前回インフォコムのLookatとうサービスのご紹介でSDGsに触れましたが、今回はESGデータというものに触れてみます。
ちなみに本ブログはMicrosoft Top Partner Engineer's Advent Calendarの5日目の記事になります。
ESGって何?
ESGはEnvironment、Social、Govnernanceの頭文字を取った略語です。ちなみに人によってはEがEnergyになったり、SがSustainabilityになったりします。
さて、これは何を意味するのかというと、ずばり地球そのものです。
私たち人類も含めて地球には多くの生物や環境(海や土、空気)があります。それらはこれからも普遍的にて存在するものでしょうか?
答えはわかりきっていますが、NOですよね。
では、どういう部分がNOであるか。
自然科学の話(地球)
プラネタリー・バウンダリーという言葉があります。これは1つの惑星(地球)における後戻りできない境界のことで、この境界を超えてしまうと自然が崩壊してしまうと言われています。
このプラネタリー・バウンダリーで示されている様々な問題の中でも、気候変動や生体機能の消失(つまり種の絶滅)は今まさにそこにある危機といえます。
経済活動の話
これはなかなか一言では伝えられないのですが、先に書いたプラネタリー・バウンダリーなど自然科学に大きな脅威があるという認識に対して、その脅威を排除(もしくは改善)するためには経済活動そのものの変容が必要と言われています。
経済活動とは自然科学だけでなく、例えば政治や市民の行動、社会持続性など様々なアプローチがあります。
この経済活動は2006年に国連でPRI(責任投資原則)が提唱された時から始まります。PRIとは簡単に言うと機関投資家や株主が長期的な継続投資をするときにESGを考慮しなさい、というものです。
さて、ここでESGを考慮しなさい、なのですが金融においてESGはどのような意味があるのでしょうか?
これは短期的な投資をやめて、持続可能な経済と実現させるためにESGを使うべき、そのほうが経済も発展するよってことですね。
このESGに使うデータをESGデータと言ったりします。
ESGデータとITの関わり方
ESGとITはどのような関連性があるのでしょうか?
ものすごいわかり易い例はデータセンターです。
私たちは普段使っているインターネットの世界は、データセンターで様々なIT機器を運用しなければいけません。
データセンターは全世界にあり、その市場規模は23兆円を超えると言われています。
これだけのデータセンターを運用するとなると、何が必要でしょうか?
そうです、電力なのです。
全世界的にみると電力を生成するプロセスのほとんどは化石燃料になります。化石燃料を使うと何が起こるか。
二酸化炭素量が増えます。
二酸化炭素が増えると地球全体が温暖化されていきます。
そうなると先に書いたプラネタリー・バウンダリーが着実に近づいて来てしまうのです。
カーボンニュートラル
データセンター自体の二酸化炭素排出量は業界全体の過半数を占め、19億トンの二酸化炭素を排出すると予想されます。 世界の二酸化炭素の排出量合計の3.2%の量です。
かなり多いんです。
ここで出てくるのがその二酸化炭素を減らしましょう、無くしましょうという考え方。それがカーボンニュートラルです。
カーボンニュートラルは2010年に当時総理大臣であった菅総理が、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
この宣言から一気に脱炭素に向けた動きが業界に流れ込んできたのです。
さて、ここまで書いたので簡単にはわかったと思いますが、じゃあ、僕たちはどうすれば良い?ということなのです。
Azureサブスクリプションのカーボンデータ(フットプリント)を見てみる
前置きがだいぶ長くなってしまったので、ここからはクラウドの話をします。
Microsoftではカーボンフットプリントの開示を行っており、誰でも簡単に自身のサブスクリプションに関わるカーボンフットプリントの確認ができます。
以下からPowerBI用のテンプレートをインストールすれば、簡単にダッシュボードが作れますね。
実際にデモデータを使って見てみました。
自身のサブスクリプションでどれくらいのカーボンが排出していて、それがどう影響しているかがわかりますよね。
ちなみにMicrosoft 365にも接続できるのでコーポレートIT全体のデータも取得できます。
ESGデータを取得する
先程はあくまでもAzureやM365のカーボンフットプリントだけでしたが、カーボンフットプリントだけでなく、もっともっとたくさんのデータを収集し、解析し、レポート作らなくてはいけません。
ざっとそのデータの数でも100を超えるんですが、それらはどうやって収集し解析すれば良いのでしょうか?
そこで使えるのがMicrosoft Cloud for Sustainabilityというサービスです。
このサービスはSustainability ManagerというコアエンジンからD365にESGデータを収集し、解析できるサービスです。
非常に膨大なデータを扱う巨大エンタープライズ向けで、特に海外展開している製造業へのニーズが強いと感じます。
このツールを使う動機づけとしては、ESGデータのスコープが全スコープ(特にスコープ3)になっており、かつバリューチェーン、サプライチェーン含めたデータを対象とするときです。
さて、このサービスの裏側はPower Platform(Power Automate)ですので、算定に関してはすべてPower Automateのフロー内で処理をさせます。
つまり超巨大なローコードプラットフォームなのです。
エンジニアがやるべきことはなにか
このような活動の中で私たちエンジニアはどのような活動をしていけば良いのでしょうか?
実はそれは非常に簡単な話です。
システムはクラウド化する(カーボンの移転)
最適化されたシステムを運用する(Well-Architected Frameworkの活用)
コストと使用量のバランスを常に把握し、ROIを見定める
これらを常に実践することです。
例えばVMが100台構成のオンプレシステムをクラウドへマイグレーションする。
単にVMをマイグレーションするのではなく、5R を用いて最適化する。
100台のサーバーが、20台になり、サーバーレスやコンテナを用いて弾力性を強く、ネットワークやバックアップソリューションを利用して信頼性を高める。
そうすることで大幅にカーボンが減る。
つまり、カーボンを減らす努力とはエンジニアのWell-Architechtedな運用がとっても重要なのです。
今回はかなり小難しい話を書きましたが、私たちMicrosoft Partnerはこういった社会的意義、価値を追求することも非常に重要な活動と考えています。 是非これらを参考にして頂ければと思います。
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