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人権デューデリジェンスって?

ITエンジニアが圧倒的に多い当社の中で、バックオフィスを担当している有田です。

技術系の投稿が多い中で社会的時代の情勢、風潮について書いてみます。

私は昭和時代に社会人になりそれから平成、令和と改元を経験。

その間に社会、職場は大きく変化しました。

社会人になった当初は「24時間働けますか?」とういうキャッチコピー(今の若い人は知らないか(笑))がテレビCMで流れていて美徳として捉えられていたが、今こんなことがCMで流れたら大問題になるでしょう。

パワハラ、コンプラ、セクハラと言われる発言が飛び交っていた時代から社会は大きく変化しました。いい意味です。昔が良かったなんて言ってません。(汗)

そこで欧州やアメリなどで既に義務化に向けて動きが進んでいる「人権デューデリジェンス」についてまとめてみました。

人権デューデリジェンスって何?

Copilotで作成した人権デューデリジェンスについての画像
「人権デューデリジェンス」とは、企業のサプライチェーン(原材料調達、生産・製造、輸送、販売、廃棄)に潜む、強制労働や人種差別、児童労働、パラハラ・セクハラなどの人権リスクを「特定」し、それを「軽減」「予防」「救済」をする措置を取ることを指します。国内・国外のサプライチェーンだけでなく、企業内部における人権問題も対象となります。

人種差別、民族差別、地域差別、児童虐待、強制労働など、人権をめぐる歴史は古く、世界各国で何かしらの人権問題を抱えています。企業活動がグローバル化してくると、これまで他人事だった他国の人権問題に向き合わざるを得ない状況となり、各国の歴史や商習慣を理解した取組みが求められるようになりました。

例えば、とある企業がサプライチェーンの中で、児童労働や強制労働に関わる組織や国と取引をしていた、ということが露呈すると、そのニュースは瞬く間に世界中へ広がり、大規模な抗議活動や不買運動などが展開されます。人権問題が注目されやすくなっている今、企業ブランドを守るためにも、人権リスクには常に目を光らせておく必要があります。

  • 企業活動の中での人権デューデリジェンスリスク
    (強制労働や長時間労働の他に、企業か活動の中では下記のような人権デューデリジェンスリスクが潜んでます。)
  • 賃金のピンはねや未払委の給料がある
  • 社会保障を受ける権利の侵害する
  • 自社の都合で取引内容を変更し取引先従業員の長時間労働を誘発させる
  • 地上げ屋などに加担する企業に金銭を貸し付ける

このように、日本企業でもよく聞かれる労務上の問題も、人権デューデリジェンスリスクに該当するケースがあります。

人権デューデリジェンスが注目されたきっかけは?

2011年に国連で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」が採択されたことがきっかけとされています。内容は、あらゆる国家及び企業に対して、「その規模、業種、所在地、所有者、組織構造に関わらず、人権の保護・尊重への取組を促す」ための以下の3つの柱を中心とし以下の3つの柱を中心とした内容となっています。

(a)人権を保護する国家の義務

人権及び基本的自由を尊重し、保護し、充足する国家の義務

(b)人権を尊重する企業の責任

全ての適用可能な法令の遵守と人権尊重が要求される、専門的な機能を果たす専門家とした社会的機関としての企業の役割

(c)救済へのアクセス

権利と義務が、その侵害・違反がなされたが会いに、適切かつ実効的な救済を備えているという要請

企業は、これらの「国際社会に承認された人権」により、基本的な諸原則に則って社会的・道義的な責任を十分に認識し、人権を尊重することが明確に求められていることが分かります。

人権デューデリジェンスの実施とは

企業が自らの事業活動やサプライチェーンにおける人権リスクを特定・評価・軽減・是正するための継続的なプロセスのことです。 人権デューデリジェンスは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて、国際的に推奨されています。

人権デューデリジェンスの実施プロセスは、主に以下の4つのステップを繰り返します。

(P)人権への影響を特定・評価
(D)是正・予防・軽減措置の実施
(C)モニタリングの実施
(A)外部への情報公開

サプライチェーンの拡大がきっかけで発覚した労働問題

Copilotが作成したサプライチェーンの拡大
1990年代以降、グローバル化によって、先進国がこぞってコストのかからない途上国に農園や工場を作り、安い労働力を大量に確保する動きがありました。そして、現地でのトラブルや事件、事故などによって、次々と強制労働や児童労働が露呈し、世界的ニュースとなって流れると、世界中で不買運用や株価の暴落が起こり、人権侵害を起こした企業が、致命的なダメージを受ける事例が多々発生しました。労働人権問題がクローズアップされると、欧米諸国を中心に「ビジネスと人権問題」に対する関心が高まりはじめ、2011年の「ビジネスと人権の行動原則」が発せられた後には、各国で人権デューデリジェンス義務化に関する法整備が着々と進んでいます。

日本での人権デューデリジェンスはどうか?

欧米諸国とくらべ、日本を含むアジア周辺においては、人権デューデリジェンスは一歩遅れている状況にあると言われています。

外務省では2020年10月に「ビジネスと人権に関する指導原則」の流れを汲んだNAP(行動計画)を策定しました。また、2021年6月に施行された上場企業向けの「コーポレートガバナンスコード(CGコード)の中には人権尊重を求める規定を含めています。政府主導で人権デューデリジェンスへの取組みが推奨され始めましたが、NAPに関しては世界で24番目の取組みで、同じアジアでもタイでは2019年に人権デューデリジェンスに関するNAPを発表しています。

国内での人権デューデリジェンスの取組みが遅くとも、世界を相手に商売をしている企業では、すでに施行されている欧米諸国の人権デューデリジェンス関連法案に向き合わなければなりません。そのためにも、まずは人権デューデリジェンスを知り、人権問題へ意識を高めていくことが重要です。

人権デューデリジェンスを実施することは、親会社の企業倫理ハンドブックに記載されている【人権の尊重】の中にある「世界人権宣言」で定められた人権を尊重し、保護することに貢献することになると考えます。当社の卓越した技術を日本のグローバル企業のみならず海外企業にも認知させるべく活動を広げていく過程で人権デューデリジェンス問題は将来避けて通れない問題になると考えます。

最後に

人権という言葉は至るところで発せられますが本当の意味を真剣に考えてこなかった自分がいます。部下を初めて持った当初は“仕事は盗むものだ”とか“根性で頑張れ”といった感覚で仕事終わりに酒場で部下に話していたいたなぁって当時を思い出すと赤面してしまいます。

若いころに刷り込まれた昭和の価値観や考え方、特に、若いころ刷り込まれた働き方の感覚をリセットし、今の価値観に耳を傾け、見直すところは見直し、常に学び直すことが大事だと痛感しています。


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