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オルターブースのクラウドネイティブ特化型ブログです。

Microsoft 365 Copilot Chatでプロンプト共有しようぜ!

忘れたころに急に現れて、大量の文字を投下してはまた雲隠れすることでおなじみの木本です。

生成AIが登場して以来、さまざまな企業・組織で導入が進んできていると思います。
当社でも生成AIの利用が推奨されており、個人的にも「AIなしでは仕事が進まない」と感じる場面が増えてきました。
特に「Copilot」と名のつくAIアシスタントたちには、日々助けられています。

(この記事は2025年6月現在の情報を元に書いています。)



現在、弊社で活躍しているCopilotは主に2つあります。

GitHub Copilot

まずひとつは、すっかり定着した感のある開発者向けAIアシスタント「GitHub Copilot」です。
以前、プログラミングからしばらく離れていた激よわプログラマーこと僕がGitHub Copilotに100%頼り切って業務スクリプトを作ったという話を書きましたが、もう2年前も前のことだそうです。 aadojo.alterbooth.com

その後もGitHub Copilotの力を借りていくつかの業務ツールを作りました。
いや、作っていただきました。
僕はほぼ「プロンプト(指示文)」しか書いていません。
最近はもうGitのコミットメッセージまでGitHub Copilotに書いていただいています。
GitHub Copilotはたくさんコードを書いてますが、ユーザー目線から見ればこれも一種のローコード開発と言ってもいいのではないでしょうか。

Microsoft 365 Copilot

そして最近、GitHub Copilotに並ぶ勢いで存在感を増してきたのが「Microsoft 365 Copilot」です。
Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365アプリに統合されたAIアシスタントで、ドキュメントの作成やデータ分析など日常的な業務の生産性向上を後押ししてくれます。
「Microsoft Copilot」というまぎらわs・・・似たような名前のAIアシスタントもありますが、こちらは「毎日の生活のためのデジタルコンパニオン」と定義されています。
どちらも「質問やリクエストを理解し、直接回答あるいはコンテンツの生成を行う」ことができますが、Microsoft 365 CopilotはMicrosoft 365の情報に横断的にアクセスできるという特徴があります。

Microsoft 365 Copilot Chat

Microsoft 365 CopilotはMicrosoft 365の様々なアプリの中でも利用することができますが、個人的に最も有用だと感じているのがMicrosoft 365 Copilot Chatです。

support.microsoft.com

Microsoft 365 Copilot Chatでは、SharePoint内のファイル、Teamsでの会話、Outlookのメールなど、Microsoft 365内の情報をもとに応答してくれるのが特徴で、メールの下書きをしてくれたり、会議の議事録を要約してくれたりします。
時には以前自分で作ったのにその存在すら忘れていたようなファイルの情報を引っ張ってきてくれたりもして、もはやこのチャット機能を使わない日はないというくらい日常の業務に欠かせない存在です。

プロンプトギャラリー

そんなMicrosoft 365 Copilot Chatの機能でも特におすすめしたいのが「プロンプトギャラリー」です。
とても便利な機能なのに少し目立たない場所にあるため、その存在に気づいていない方も多いかもしれません。

プロンプトというのは「AIに対する指示文」のことですが、プロンプトギャラリーではMicrosoftがあらかじめ用意したプロンプトが提供されています。
このプロンプトギャラリーは「Microsoft 365 Copilot Chatができることの一覧」でもあるので、ここに並んだプロンプトを眺めるだけで「こんなことができるんだ!」という発見があります。

では、実際にプロンプトギャラリーを開いてみましょう。
Microsoft 365 Copilot Chatにアクセスすると以下のような画面が表示されます。

テキストボックスの下に注目

「Copilotへメッセージを送る」テキストボックスの下に3つのプロンプト候補が並んでいますが、これはプロンプトギャラリーで提供されているプロンプトの一部です。
人名やファイル名が入っているため一部ぼかしていますが、単なるテンプレートではなくMicrosoft 365のデータに基づいてパーソナライズされたプロンプトが提示されていることがわかります。

これらのプロンプト候補の下に小さく表示されている「See more」をクリックすると、さらに多くのプロンプト候補が表示されるのですが、ここで注目していただきたいのが、その下に小さく表示されている「Prompt Gallery」です。
この「Prompt Gallery」をクリックすると、プロンプトギャラリーが表示されます。

ひっそり表示される「Prompt Gallery」

すでにチャットを開始した後であれば、「Copilotへメッセージを送る」テキストボックスの右上に表示されている小さなアイコンをクリックしましょう。

チャットを始めた後はテキストボックス右上のアイコンをクリックします

それにしても、こんなに便利な機能へのリンクがなぜこんなに控えめに表示されているのでしょうか・・・

多彩なプロンプト例

多彩なプロンプト例

ざっと見ただけでも「プログラムの作成」や「文章の下書き」など様々なプロンプトが並んでいます。
使ってみたいプロンプトが見つかったら、そのプロンプトのパネルをクリックするだけでテキストボックスにプロンプトが入力されます。
気になったものをひとつずつ試していくだけでも、そこそこ時間が溶けそうです。

いざ生成AIと対話しようとしたときに、「どんな風にプロンプト(指示文)を書いたらいいのかよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
インターネットで探せば様々なプロンプトを見つけることができますが、いざ自分の業務に合わせたものを書こうとすると意外と難しいものです。
このプロンプトギャラリーには実用的なプロンプトがたくさん用意されており、しかもMicrosoft 365のデータと紐づいた形で実行できるので、自分がほしいプロンプトをより早く手に入れることができます。

プロンプトの保存と共有

さらに自分で作ったプロンプトを繰り返し利用しやすいように保存したり、保存したプロンプトを組織内で共有したりできるのもプロンプトギャラリーをお勧めしたい理由のひとつ。

毎日毎日みんながプロンプトを書いては投げ、書き直しては投げるということをやっていると、「複数の社員が同じようなプロンプトを各自で作っていた」ということが起こりがちです。
「実はこういうプロンプトを書いてみたんだけど結果がいまいちで・・・」「あ、それもう作ってますよ。」「・・・ソレちょうだい。」なんていう会話を経験した方も多いのではないかと思います。

誰かが作ったプロンプトを組織の中で共有すると、プロンプトを作る時間を節約することができるだけでなく、そのプロンプトを使う作業の粒度や精度を揃えやすくなるというメリットもあります。
共有されたプロンプトをさらに改善していくということも共同で行うことができますし、そうやって磨き上げたプロンプトたちが組織の集合知という貴重な財産になります。
Microsoft 365 Copilotではエージェントを作成することも簡単にできますが、使用頻度の高い共有プロンプトをエージェントに格上げしていくのも良さそうです。


ではプロンプトを保存する方法と共有する方法を見ていきましょう。

まず、プロンプトを入力して実行します。
Copilotの応答が完了したら、自分が実行したプロンプトの上にマウスポインターを置いてみましょう。
プロンプトに対して実行できるメニューのアイコンが表示されたら、しおりの形をしたアイコンをクリックします。(Copilotの応答が完了していないとメニューが表示されないことに注意してください)

Copilotの応答が完了したら、しおり型のアイコンをクリックします

プロンプトを保存するダイアログが表示されますので、内容を確認して保存します。
ここではタイトルのみが編集可能で、プロンプトの編集はできないことに注意してください。

プロンプトを保存します。

保存したプロンプトは、プロンプトギャラリーを開いて、上部にある「プロンプト」ボタンをクリックすると表示されます。

保存したプロンプトが表示されます

一度保存したプロンプトは編集することができません。
変更したい場合はプロンプトを修正した上で実行し、再度保存する必要があります。
ちょっと面倒くさいですが、そのうち改善されるのではないでしょうか。(たぶん)

以上の操作でプロンプトの保存はできました。
ただし、この時点ではまだ保存されただけで誰にも共有されていません。つまり、自分にだけ見えている状態です。
次に保存したプロンプトを共有してみましょう。


プロンプトギャラリーで共有したいプロンプトのパネルの共有ボタンをクリックし、「チームで共有」を選択します。

共有したいプロンプトのパネルで共有ボタンをクリックします

プロンプト共有のダイアログが表示されたら、共有先としてチームを選択して、「共有」ボタンをクリックしましょう。

Teamsのチームを共有先として選択します

ここで共有先として選択できるのはTeamsで作成されているチームです。
つまり、Teamsのチーム単位でプロンプトの共有範囲をコントロールするということになります。

共有したプロンプトは、プロンプトギャラリーの「チームプロンプト」に表示されます。
この状態になってはじめてプロンプトが共有された状態となり、共有先チームのメンバーのプロンプトギャラリーに表示されます。

共有したプロンプトは「チームプロンプト」に表示されます

まとめ

Microsoft 365 Copilot Chatのプロンプトギャラリーについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
Microsoftが提供する実用的なプロンプトや自作のプロンプトを簡単に呼び出せるのはとても便利ですし、プロンプトを共有することで組織の業務効率アップに貢献することもできそうです。
あまり難しく考えず、手軽にお試しいただけたらと思います。

※Microsoft 365 Copilot Chatを利用するには、Microsoft 365およびMicrosoft 365 Copilotのライセンスが必要です。
詳細に関するお問い合わせや導入に関するご相談は、ぜひ弊社までご連絡ください。
お問い合わせ | 株式会社オルターブース(Alterbooth)

(余談)お気に入りプロンプト

最後に、プロンプトギャラリーの中で見つけた最近のお気に入りプロンプトを紹介します。

私の 1 週間をコメディ ロースト風にまとめてください

「コメディ ロースト」とはアメリカで発展したコメディの一種で、ゲストの特徴や行動を面白おかしく取り上げることで笑いを通じてその人を称えることを目的としたものだそうです。
週末の終業前に実行すると自分の1週間の仕事を面白おかしく振り返ることができます。
「コメディ ロースト風」を「SF風」とか「時代劇風」に書き換えても楽しいので、ぜひお試しあれ。


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